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講座内容

幾何光学、光学設計コース

幾何光学と光学系レイアウト (Yuzuru Takashima)

この講座では、結像光学システムがどのように機能するかを理解する上で必要となる原理及び背景について学習します。光学的結像システムは、ガウスの主要点によってまたは近軸光線追跡によって容易に計算することができます。これらの原理は、複数のコンポーネントシステムのレイアウト設計や解析にも拡張できます。この講座では薄肉レンズを用いた結像系と薄肉レンズシステム、絞りと瞳、アフォーカルシステム、及び放射伝達に関するトピックを学習します。光学システムの例を数多く取り上げてご説明します。必要とされるコンポーネントやそれらのレイアウトを決定するプロセスによって、光学システムのファーストオーダーのレイアウトに到達し、またそれを理解するための 簡単な手法を学習します。このプロセスによって、所期のサイズの像を所期の位置に形成することができます。光学システム設計の実用面に特に重点を置きます。 受講者には英語の講座資料と、日本語版テキスト「フィールドガイド幾何光学」(グリービンキャンプ著)をご提供致します。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 倍率、物体-像間距離、焦点距離等を含む機器の要求仕様を決定する
  • 光路を図示し、簡単な光線追跡を実施する
  • 回折現象、肉眼やスループット限界によって光学システムに課された性能上の限界を記述する
  • 複数コンポーネントシステムの結像特性を予測する
  • 各エレメントの必要径を決定する
  • レイアウトの原理を望遠鏡、顕微鏡、拡大鏡、フィールドレンズ、リレーレンズ、ズームレンズ、アフォーカル系等さまざまな光学装置に応用する
  • 光学システムの設計及びレイアウトのプロセスを理解する

対象とする受講者

この講座は光学システムを使用する必要のある方、または設計する必要のある方で、光学システムによる画像形成の原理を理解しようとされる方でしたら、どなたでも受講頂けます。光学に関する知識は不要で、簡単な数式(代数、幾何、三角法)のみを用います。コース終了時には、これらの技法を用いた、比較的洗練された光学システムの設計と解析が可能になります。




光学設計入門 (Yuzuru Takashima)

この講座は、光学収差の知識(「幾何光学と光学系レイアウト」および「収差論と像評価」、の講座内容)を、レンズ設計の数々の具体的な手法に結びつけることによって、受講者の皆様が光学システム設計に必要とされる最初の知識を得ることを目的とします。レンズの形状や、個々のレンズエレメントの配置は、収差量と密接に関連しています。この関連を具体的に理解することにより、光学系の最適設計解を見通し良く求めることが可能になります。それらの設計解をもとに、光学設計ソフトウエアにより自動設計を行うことにより、さらなる最適化が効率良く可能となります。 これらの知識は、レンズ設計だけでなく、日常業務として光学系を構築する必要のある技術者、研究者の方々にもとても有用です。なぜなら、この知識を利用して、カタログレンズから最適な光学素子を選択し、それらを最適配置することにより、高性能かつ低価格な光学系を短期間に構築することが可能となるからです。本講座では、まず、光学システム設計の一般的な手順を解説します。その後、3次の光学収差とレンズのパラメータとの関係を解説します。加えて受講者のみなさまに実際にレンズ設計ソフトCodeVを使って実地にレンズ設計を体験していただきます。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 光学設計の手順を理解する
  • 光路を図示し、簡単な光線追跡を実施する
  • 3次収差:球面収差、コマ、非点収差、像面湾曲および歪曲収差とレンズパラメータの関係を理解する
  • 各3次収差を補正する方法について理解する
  • カタログレンズを用いて高性能な光学系を設計する手法を理解する
  • レイアウトの原理を望遠鏡、顕微鏡、拡大鏡、フィールドレンズ、リレーレンズ、ズームレンズ、アフォーカル系等さまざまな光学装置に応用する
  • CodeVを使って自動設計のみに頼らないレンズ設計を行う

対象とする受講者

レンズ設計手法の基礎、および、それらの原理を収差の補正に応用する方法の理解を必要とされるエンジニア、研究者、管理者の方々、また、特に、カタログレンズを用いて高性能な光学システムを構築する必要のあるエンジニア、研究者の方々。本講座に加えて、「光学系レイアウト」および「光学収差と像評価」を同時に受講されるとさらに理解が深まり効果的ですのでお勧めします。




ARおよびVR光学系の基礎 (Hong Hua)

このコースでは、拡張現実、仮想現実(AR / VR)アプリケーションのための光学システムの基本的な知識と理解を得ることができます。具体的には、人間の視覚システム、測光、測色技術、ディスプレイ技術のレビューから始める。 AR / VRディスプレイの歴史的展開、AR / VRディスプレイのさまざまな光学設計方法に関する包括的なレビュー、AR / VR光学システム設計の例を紹介する講義を行います。このコースでは、AR / VRディスプレイのパフォーマンスメトリック、光学設計における考慮事項、主要なヒューマンファクタについても説明します。最後に、ヘッドマウントライトフィールドディスプレイなどの新しいAR / VRディスプレイの最近の開発についてのレビューを行い、そのような技術の潜在的な影響について議論します。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

    人間の視覚システム、測光、カラーシステム、ディスプレイ技術を含む、AR / VR光学システムに関連する基本的な知識を取得する。 AR / VRディスプレイのさまざまな光学設計方法を学ぶ。 AR / VRディスプレイの設計および評価の過程で、主要な設計上の考慮事項、人的要因、およびパフォーマンスメトリックを理解する。 AR / VRディスプレイの研究フロンティアを理解する。

対象とする受講者

このコースは、AR / VR光学システムの基礎とその設計原則を理解し、将来のAR / VR技術開発にこれらの原則を適用する必要のある科学者、エンジニア、および管理者を対象としています。このコースは、高度なAR / VRシステムおよびアプリケーションの開発における光学設計の役割を理解すること、AR / VRディスプレイの性能指標と人的要因との関係を理解すること、AR / VR光学系の開発における課題の理解を目的とします。このコースは自己完結型で、基礎知識を習得し、研究や実践的なアプリケーションに容易に適用できる理論的知識と実践的知識を得ることを目指して、受講者に直接指導するように構成されています。このコースには前提条件は特に必要ありません。しかしながら、幾何学的光学および光学設計の知識があればさらに理解を深めることができます。.

拡張現実(AR)や仮想現実(VR)に興味を持つエンジニア,研究者




光学設計特論:そのアートとサイエンス (Jose Sasian)

本コースは“アート&サイエンス”の学問としてのレンズ設計に役立つ設計手法と設計のための種々の洞察を学んでいただきます。最初に収差論の復習を行い、続いてレンズ設計における最新のトピックスを光線追跡プログラムを用いて解説します。本コースにより、最新のレンズ設計における種々の設計手法を学んでいただけます。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • レンズ面自体に起因する、また、他のレンズ面に寄与による高次収差の影響を理解する
  • 瞳面収差とその影響について理解する
  • 最新の色収差補正の方法について理解する。
  • 非対称光学系の基本設計について理解する
  • 反射光学系の設計の基礎を理解する
  • 非球面、および、自由曲面の効果的な利用方法について理解する
  • レンズ設計における実用的な公差解析について理解する
  • レンズ設計のアートとしての側面について理解する。

対象とする受講者

光学設計理解する必要がある、エンジニア、研究者の方々。





物理光学コース

高速レーザー加工のための空間光変調素子と計算機ホログラフィ (早崎 芳夫)

本コースでは、計算機ホログラムの原理や設計法とその表示デバイスである空間光変調素子の使用法について,レーザー加工応用の観点から解説します.計算機ホログラムにより,レーザービームを空間的・時間的に成形し,レーザー加工の応用における加工時間の短縮,加工品質の向上,光利用効率の向上に寄与することを,実際的な多数の応用例を通して解説します。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 計算機ホログラムのいくつかの設計法とそれらの特徴につて理解する。
  • 空間光変調素子の原理と使用法について理解する。
  • レーザー加工の多数の応用例を通して,計算機ホログラムと空間光変調素子の有用性を理解する。

対象とする受講者

このコースは、計算機ホログラムと液晶空間光変調素子に興味をお持ちのエンジニア、研究者、大学院生,専門職の方々を対象とします。 レーザー加工の高速化に興味があれば,より良いでしょう。




フーリエ光学とオプティカル・コヒーレンス・トモグラフィ(谷田貝 豊彦)

本コースはスカラー波の回折と、そのフーリエ理論による取り扱いを学習します。さらに、結像における線型理論と、その光学情報処理への応用を学びます。続いて、干渉計測、分光計測、高速光情報処理、および、オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィへの応用を解説します。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 結像系、空間時間現象、光学測定システムを周波数領域とフーリエ変換により記述できる。
  • 回折現象をフーリエ変換、コンボリューション、および、アンギュラースペクトラムの概念により理解し、計算ができる。
  • 線型信号処理における様々な手法を光学測定および光学結像に適用できる。
  • 空間周波数領域、および、時間周波数領域の類似性を理解する。

対象とする受講者

フーリエ変換、結像における線型理論、ホログラフィー、回折現象の数値計算、高度な干渉縞解析、空間―時間領域信号処理、および、オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィの知識を必要とされる エンジニア、研究者の方々を対象とします。




光計測とセンシングのための時空間干渉縞解析入門 (武田 光夫)

本コースでは干渉計測や縞解析法の基礎を学びます。また、光計測や光センシングの原理の理解に役立つ通信理論について解説します。光計測において時間と空間の類似性がいかに重要な役割を演じるかを示します。そのために時間キャリア周波数を用いた位相シフト法と空間キャリア周波数を用いたフーリエ変換法の原理と両者の利害得失を対比的に説明します。また、これらの位相情報を用いた光計測に不可欠な位相アンラップアルゴリズムについて紹介します。最後に白色干渉計測やスペクトル干渉計測とそのための干渉縞解析法を解説します。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 代表的な干渉計と干渉計測の原理を理解する
  • 通信理論が光計測や光センシングに果たす役割を知る。
  • 時間キャリア周波数と空間キャリア周波数を用いた光計測法の原理を理解する。
  • 位相シフト縞解析法とフーリエ変換縞解析法の原理と特徴の違いを理解する。
  • 位相アンラップの要点とそのための代表的アルゴリズムを知る。
  • 白色干渉計測やスペクトル干渉計測の原理を理解する。

対象とする受講者

このコースは、光応用計測や光センシング技術に興味をお持ちのエンジニア、研究者の方々を対象とします。




結晶光学入門 (黒田 和男)

本コースでは、結晶や液晶のような異方性媒質中の光波の伝搬を扱います。この問題の解析には、ベクトルやテンソル(行列)などを避けて通ることはできません。本講座では,このような数学的な道具に慣れることから始め,複屈折や旋光性など結晶光学に固有の現象の解説に進みます。また,結晶光学には屈折率楕円体,屈折率面,光線速度面などの幾何学的な曲面が登場します。これらは本来結晶光学を理解するための道具として導入されたものでありますが,しばしば混乱の元になっています。本講座ではこれらの曲面について相互関係に留意し、できるだけ明快に解説します。最後に応用編として,異方性媒質を含む多層膜の解析法の一つである拡張ジョーンズベクトル法について解説します。これは,液晶表示素子など多層膜構造の偏光特性の解析に有用な方法であります。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 異方性媒質に対するマクスウェル方程式の扱いに慣れる。
  • 複屈折や旋光性など結晶光学に固有の現象を理解する。
  • 結晶の異方性と伝搬方向が与えられたとき,固有偏光と屈折率を計算できる。
  • 屈折率楕円体,屈折率面,光線速度面を用いて,結晶中の光波の伝搬を直感的にイメージする。
  • 偏光プリズムや偏光フィルターなどの構造や動作原理を理解する。
  • 異方性媒質を含む多層膜の偏光特性を拡張ジョーンズベクトル法で計算し、結果を理解する。

対象とする受講者

結晶や液晶などの異方性媒質を扱うエンジニア,研究者の方々を対象とします。




偏光入門と偏光計測への応用 (大谷 幸利)

本コースは、偏光と基礎とその偏光計測への応用について学習します。 前半は、偏光とはからはじめて偏光素子、ポアンカレ球、ジョーンズ行列、ストークス・パラメータ,ミュラー行列について簡単な数学を交えながら説明します。後半は、ストークス偏光計、複屈折計測法,特に、光弾性光変調器、液晶素子、および、光ヘテロダイン法を利用した複屈折マッピング計測装置、分光ミュラー行列偏光計およびエリプソメータについて解説します。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 基本的な偏光素子である偏光板、1/4波長・1/2波長位相差板、円位相差板、偏光解消板の機能を理解する。
  • ジョーンズベクトル,ストークス・パラメータおよびミュラー行列を取り扱うことが出来る。
  • 複屈折イメージング、ストークス偏光計、ミューラー行列偏光計、エリプソメータを理解する。

対象とする受講者

このコースは、偏光の入門、偏光計測に興味をお持ちのエンジニア、研究者の方々を対象とします。




コンピューテーショナルイメージングとディジタルホログラフィ (早崎 芳夫)

本コースでは、光学系と計算機の融合による画像取得の新しいフレームワークである計算イメージングについて講義します.進歩著しい研究開発分野であり,次々と新しい方式が出ている,その中でも,単一画素イメージング,フーリエタイコグラフィ,圧縮イメージングなどを取り上げながら,体系的に整理しながら,議論を進めていく.また,セミナーの後半で,歴史の古く,計算イメージングの一種ともいえるディジタルホログラフィについて,その原理と測定対象に応じた多様な実装法について解説する。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • ホログラフィー、計算機ホログラムとディジタルホログラフィーの概念を習得する。
  • ホログラフィー、計算機ホログラムとディジタルホログラフィーの応用例を理解する。
  • ホログラフィー、計算機ホログラムとディジタルホログラフィーを将来的なプロジェクトに応用できるようになる。

対象とする受講者

このコースは、新しい方式のカメラを用いた工業画像計測や生体画像計測に興味をお持ちの技術者、研究者、学生の方々を対象とします。




光学デバイス設計コース

リモートセンシング,分光イメージングと赤外線検出光学 (ネイザン ヘーガン)

本コースでは、分光測定や赤外線検出などの光学機器で定量的に計測を行うための背景と原理について説明します。このコースは、赤外線、可視光、近赤外線、短波赤外線および熱赤外線の各バンドにおける放射光センシングの基礎と現状の検出手法を概観することから始めます。定量的なセンシングとスペクトル検出を理解する上で重要なことは、一般に、光学システムと測定品質を特徴付ける能力であり、そこで、コースでは、システムの特徴を明らかにするために一般的な機器の例を紹介します。このコースでは、今日利用されている可能なさまざまな分光器や分光イメージング技術について説明し、さまざまなアプローチの利点と欠点について説明します。分光測定のアプリケーションでは、データ処理の信号処理アルゴリズムが不可欠であり、現在まで提案されているアルゴリズムを紹介します。最後に、利用可能な検出器についての議論や可視と赤外線領域での測定の違いなど、赤外線センシングの例を見ていきます。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 分光測定のため定量的にイメージングするための手法や光学機器の使用法の理解
  • 可視と赤外線の検出の基本的な違いを理解
  • 異なる計測器を比較と計測法の応用先に最適手法を決定
  • 大気ガスの吸収、霧や雲からの散乱、表面からの熱放射などの大気現象が、どのように可視および赤外線の世界に影響についての理解

対象とする受講者

このコースは、光学システムの定量的な測定のために原理と基礎を理解する必要がある科学者、エンジニアおよび管理職の方々を対象としています。日々の経験から得た豊富な実例を紹介し、日々の業務にどのように今回のコースで習ったことを適用するかについて、実践的な知識を身に付けることができます。最低限のカメラと基本的な光学現象についての知識を持っていることが望ましいですが、講義でも大部分の前提知識は説明します。




プラズモニクス入門 (藤村 隆史)

本コースでは、プラズモニクスの基礎とその応用について解説します。プラズモニクスは、金属における自由電子の集団振動であるプラズモンと光が相互作用することによって生じる現象を扱う研究分野で、近年、ナノ光デバイス、ナノ加工、高効率太陽電池、バイオセンサーなど幅広い分野で盛んに研究がなされています。本講座では、まずマクスウェル方程式から出発し、金属に特有の光学応答に関して説明します。続いて伝搬型表面プラズモンと局在型表面プラズモンと呼ばれる2種類の特徴的な相互作用形態について、応用例を交えながら解説します。講座の後半では、プラズモニクスにおいて重要なシミュレーションツールとなっている時間領域差分法(FDTD法)、離散双極子近似(DDA)について計算原理とその特徴を解説します。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 金属に特有の光学応答について理解する。
  • 伝搬型表面プラズモンと局在型表面プラズモンの概念と応用例を理解する。
  • FDTD法、DDAについてその計算原理を把握する。

対象とする受講者

このコースは、ナノフォトニクス、プラズモニクスに興味をお持ちのエンジニア、研究者の方々を対象とします。




光通信の基礎:現代インターネットにおけるKey Enablerとして (Milorad Civijetic)

本講座では、現代インターネットの基礎を形作る光通信の基本知識、および,光通信の原理的理解を目的とします。主要な光学要素(レーザ、光変調器、光ファイバ、光検出器、光増幅器)および、それらを記述するパラメータが、光通信ファイバネットワーク設計における、光変調方式、伝搬特性、および、信号の光ドメインにおける増幅といかに関係づけられているかを理解します。それらのパラメータの一例として、光変調器におけるチャープ、光ファイバの波長分散、自己位相変調、光増幅器のノイズ、多重伝送デバイスや光スイッチにおけるクロストークを取り上げ、それらが、いかに光通信系の特性と関連付けられるかを解説します。加えて、振幅と位相を同時に変調する高度な信号変調方式、バランスディテクタによるコヒーレント信号検出、波長多重、空間モード多重を解説します。これらの要素を理解することにより、光通信システム設計における主要なパラメータの理解、それらのトレードオフをシステムレベルで行うことを目指します。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 光通信系設計に必要な主要な光学素子、モジュールを記述するパラメータの理解
  • 光変調方式、伝搬特性、および、信号の光ドメインにおける増幅に関連する現象の理解
  • 最適光通信系設計の原理 現代インターネットにおけるさまざまな光通信方式の理解

対象とする受講者

光通信系の原理的な理解、および、さまざまな光ネットワークの実際に即した原理の適用を目指す、技術者、管理者の方々。様々な光通信系(National, Broadband)に適用可能なコンポーネントおよびシステム最適化のための、それらのトレードオフの理解が必要な方。 本コースはそれ自体で完結するように準備されており、また、光通信の研究、および、ネットワークの実装に際して即時に適用可能な知識の習得が可能です。光通信に関する知識は必要としませんが、科学技術系学部4年程度の知識があると理解がさらに深まります。




光導波路および光インターコネクション入門(杉原 興浩)

本コースでは、光ファイバーや光導波路の光伝搬現象の解析と物理的意味、さらにはその応用について紹介します。光通信や光インターコネクションが普及するのに伴い、基礎的な導波現象からシステム応用まで、何らかの形で携わる機会が増大しております。今回の講座では、特に光インターコネクションの観点から光ファイバー・光導波路について物理的事項の解説を行ない、受発光素子との実装技術を含む応用について展開していきます。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • Maxwell方程式からモード分散方程式を導出する。
  • シングルモードおよびマルチモード導波現象について理解する。
  • 光導波路、光ファイバーの損失と帯域について理解する。
  • 受発光素子との結合について適用性を考え、光インターコネクションへの展開を議論する。

対象とする受講者

このコースは、光導波入門、光インターコネクションに興味をお持ちの学生、エンジニア、研究者の方々を対象とします。




光学設計における偏光 (Russell A. Chipman)

本講座では、光学系における偏光効果の計算・解析に関連する問題の概要についての講義を行います。 偏光光線追跡の基本的なコンセプトを解説し、その種々の応用例を紹介します。偏光光線追跡によって光学素子、偏光光学素子、応力複屈折やその他の偏光効果を解析することが可能です。
多くの光学系では偏光がクリティカルな要因です。したがって偏光について細心の注意が必要です。このような光学系には、液晶プロジェクター、微細リソグラフィとデータストレージにおける高NA光学系、DVDプレーヤー、細胞組織や混濁媒体へのイメージング、光コヒーレンス・トモグラフィ(断層映像法)、干渉計が含まれます。
薄膜と単軸結晶が引き起こす偏光収差は、いくつかの市販の光学設計ソフトで評価することがすでに可能ですが、このルーチンは複雑であるため、出力フォーマットや利用の可能性について知らない光学エンジニアが大多数です。本コースではこれらの商用プログラムの出力の見方についても解説を行います。さらに、偏光光線追跡ルーチンによって、複雑な光学問題を扱う技術者グループの間で、偏光特性と偏光仕様を、誤りなく共有・伝達することが可能となります。偏光に関する技術的な仕様の共有・伝達の方法の確立により、複雑なシステムの開発速度が速くなります。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • 以下の重要な光学素子における偏光効果を理解する
  • 一連のレンズ、ミラー、偏光素子、異方性材料を通過する光線に沿った偏光変化を追う方法を理解する。
  • 薄膜コーティングされた光学素子群を通過する光線についてのジョーンズ行列の計算、機械偏光、偏光収差の分析について学ぶ。
  • 偏光状態に依存する点像関数(Point Spread Function)と変調伝達関数(Modulation Transfer Function)の計算方法について理解する。
  • Maltese cross, linear polarization tiltといった、基本的な偏光起因収差パターンを理解する。
  • クロスフォールディングミラーなどの偏光起因収差を低減するために有用な光学系配置を理解する。
  • 光学系について適切な偏光仕様を策定する。

対象とする受講者

この講座は、偏光概念を理解し光学系に応用が必要な、科学者、エンジニアの方々を対象とします。受講者の方々には、光学系、光線追跡、収差、偏光光学素子、および線形代数の基礎的な知識をお持ちであることを前提としています。




アドバンスト オプティクス:DOE,CGHおよびアダプティブオプティクス (Tom D. Milster)

この中級コースでは、回折光学素子(DOE)、コンピュータ・ジェネレーテッド・ホログラム(CGH)、補償光学素子の基礎を理解します。まず、フレネルゾーンプレートやDOEの考え方からフレネル回折の原理を理解します。そして、この原理を応用してCGHを理解します。本講義ではDOE、CGHを使った光学系の構成について解説します。また、コースの約1/3では、補償光学素子の顕微鏡、天文学、高エネルギーレーザシステムへの応用について解説します。

学習の成果

本講座では次の成果を目標とします

  • DOEやCGHの機能を理解するためにフレネル回折の原理を応用する。
  • 回折現象を見積もるために、フレネル回折の原理を利用する。
  • フレネルソーンプレート、DOEの集光特性を計算する。
  • 画像描画のためのCGSの設計手法を理解する。
  • 光学系構成およびDOE、CGHの用途を理解する。
  • 補償光学素子の基本原理ならびに顕微鏡、天文学、高エネルギー光学系における補償光学素子の使い方を理解する。

対象とする受講者

干渉、回折現象、DOE、CGHの物理的理解を必要とする技術者、科学者、また、管理者の方向け。基本的な干渉、回折現象を理解している方推奨。